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山為と丸花

 今月のLISMは中華そばの特集でした。その中で、和歌山の中華そばの名を全国区にしてくれた功労者の一人に、ラーメン評論家の石神氏の名前が。

しかし、食楽という雑誌の対談でこう言っています。「昔、和歌山ラーメンが東京に進出してきた時は、豚骨醤油は家系くらいしかなかったから新鮮で通用した。でも今は東京が地元の味を凌駕している」と。和歌山県民としては悔しい意見ですが、私はそりゃそうだよなと納得してしまうのです。

首都圏や京阪神のラーメン店はどんどん進化していって、今や和歌山の中華そばはノスタルジックな風情を残すのみ、といった感じで...それはそれでいいとも思うのですが、新しい若い人の店まで全く進化なしではちょっと寂しいのも事実。

そんな中、新しい可能性を感じさせてくれたのが丸花で、その師匠ともいえるお店が山為。ちょうど前述の石神氏が、首都圏でも通用するお店として名前を挙げていたのも山為だったのです。

前置きが長くなってしまいましたが、そんなこんなで丁度近くを通りかかったので山為に行ってきました。今回はチャーシュー大盛りを注文。

Photo

先ず、見た目に嫌なのがチャーシューに浮いている白い脂。チャーシューがヒンヤリ冷たいのが原因ですが、ここでもうげんなりしてしまいます。チャーシュー自体はジューシーで結構美味しいのですが、 スープを最後まで熱々で飲みたいのなら、チャーシュー大盛りは止めるかチャーシューはある程度冷たいままで食べるしかないでしょう。

濃厚なスープはやや臭みがありますが、とろみがありとても丁寧に作られている印象。麺も和歌山にしては珍しくもっちりとしたコシのある麺で、スープとの相性抜群です。只、後半骨粉のいがらっぽさが食感の邪魔をするのが惜しいところ。

確かにこれなら東京でも、と思いますが、冷たいままのチャーシューや普通ので800円という値段を考えるとちょっと厳しいかも。

となると、ほぼ同じクォリティのものが650円で頂ける丸花が断然光ってきます。

Photo_2

大きなチャーシューが3枚入っていてお得感充分。しかも、チャーシューが冷たくありません。この日は食べる時に混ぜてしまい粉っぽさが目立ちましたので、それが苦手な人はあまり混ざらないように食べるのがお奨め。あと、限定30食らしいので、お目当ての人は早めに行かないと売り切れてしまいます。でもそれだけ手間隙のかかっているという事なのでしょうね。

最近週末などは行列も出来ているそうで、もうすでに繁盛店になっているようです。しかし、塩や醤油のスープが最近薄くなってきたと嘆く人もいたりして、それは私も感じているのですが、これからどうなっていくのでしょうか。人気店になる事がいい方向へ作用する事があれば、悪い方へ向かう事もある、ここらへんがとても難しいところでもあり面白いところでもあると思います。

山為食堂

住所 和歌山市福町12

TEL 073-422-9113

営業時間 11:00-17:00 日祝休業

丸花 MARUHANA

住所 和歌山市出島273-2

TEL 073-474-7041

営業時間 11:00-14:00 17:00-23:00

火曜日定休 

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和歌山ラーメン」カテゴリの記事

コメント

いろんな意見があるでしょうが、自分は進化(変化)しないで欲しいと思う派です。
そういうのは大阪や東京に任せておけばいいと思ってます。変わらないこそ伝統の味、文化、ご当地らーめんと言えるのであって。
といいますか、自分はシンプルな昔ながらの和歌山ラーメンが大阪や東京の有名店のラーメンより好きですね。

投稿: NAT | 2010年1月30日 (土) 09時13分

私も昔ながらの和歌山ラーメンが好きですnoodle
「化学調味料きつすぎるよ~coldsweats02」と思うことも多いですが、3日に一回食べても飽きないくらい好きかなscissors
凝ったラーメンも時にはいいけど、やっぱり行きつくところは地元の味…となってしまいますrecycle
受け継いでくれる人がいなければ、数十年後には和歌山ラーメンがこの世からなくなってしまいますから、若い後継者がたくさん出てくれることを祈っていますshine

投稿: 甕 | 2010年1月30日 (土) 09時50分

東京の人に和歌山を凌駕していると言われてもねぇ
昨年新宿、渋谷で有名店食べ歩いたけど、自分の中では凌駕している店は無かったです。和歌山と東京の豚骨醤油はまた別物なり、それぞれの良さがあってどちらが優れてるとか言うものでは無いと思いますね

投稿: ポーラ | 2010年1月30日 (土) 19時22分

皆様コメントありがとうございます。

>NATさん
進化しない、昔ながらの、そういうのももちろんアリだと思います。
でも、せめて寒い季節には丼やチャーシューを温めるくらいの進化はして欲しいと思うのです。
そういう気遣いは変わる気配もないのに、小麦粉高騰の折の、値上げの進化だけはやたらと早かったあたり、私は和歌山の中華そばやさんに幻滅してしまうのです。
そうはいっても、それらを含めて和歌山らしいなぁとは思いますし、それがいいと感じる人がいるのも分かる気がします。

>甕さん
人の好みの多様性を、最近つくづく感じてしまいます。
友人や知人を京阪神のお気に入りのラーメン店に連れて行くと、「もう和歌山のラーメン店では食べられない」という人と、「やっぱり和歌山のラーメンがいい」という人にバッサリ分かれるんですよね。
和歌山の中華そばというのは、元々好みが別れ易い、という事なのかもしれませんね。
行列のできる和歌山グルメログなんかを見ていてもそう感じます。
変わらない事も大切だとは思いますが、せめて若い人の新しい店くらいはもうちょっと変化があっても、と思っていた矢先に出来たのが丸花で。
最初に訪れた時、テーブル席の若い女の子が「和歌山でこんな美味しいラーメン食べた事がない」と塩豚骨を食べながら言っていたのを聞き、おお!ついに和歌山にも新しい風が、と感激したのを覚えています。
昔ながらのお店と、新しいタイプのお店、そういう選択肢が広がるのも悪くはないと思うのですが...

>ボーラさん
もちろん、味覚は人それぞれで、どちらが優れているというものではありません。
でも、和歌山の中華そばを全国区たらしめた功労者の、そして全国のラーメンを知る人の意見に少しは耳を傾けても、とも思います。
味は個人の好みがありますが、お客への配慮という点で、和歌山の中華そば屋さんには明らかに欠けている部分が多いのは事実だと思いますよ。

投稿: 岡電 | 2010年1月31日 (日) 00時11分

所詮味の評価なんて千差万別です。
いくらその道ではツウとして通っている人の評価も、
案外アテにならないのは周知の事実です。

○花は明らかに開店当初よりレベルは落ちています。
あの井手商店もメディアで取り上げられる前後で
味は格段に落ちています。
私の母は20年来井手さんの中華そばを食べていますが、
メディアに取り上げられた以前の味が一番だといつも言っています。

売れる店になっても驕らず天狗にならずに、
基本に忠実な店はいつまでも愛される店になります。
私もそういう店をいくつも見ていますし、
それらの店には共通した強みを持っていますね。

店主のこだわりも大切だけど、お客さんの意見を素直に聞くという態度です。
○花もその点でどう成長するか見ていきたいですね。

投稿: 和歌山人 | 2010年1月31日 (日) 22時39分

 コメントありがとうございます。

仰る通り、どんな偉い人の言葉でも、それを鵜呑みにする必要はありません。
でも、少なくとも客商売を営む立場なら、どんなつまらない意見にも耳を傾けるくらいはするべきだと思います。

丸花さん、最近私の周りでもちょっと残念な評価を耳にします。
浄水器を導入して美味しい水を提供している点、丼やチャーシューが温められている点、等等あまり和歌山では見られなかった気遣いが嬉しかったのですが、今後はラーメンそのものの真価が問われることになりそうですね。

投稿: 岡電 | 2010年1月31日 (日) 23時34分

初めまして。
書かれていることに全く同意します。

私は年間150食ほどラーメン店でラーメンを食べます。
紀中地域に住んでいますが、そのうち半分程度は和歌山市を通り越して県外へ食べに行きます。
和歌山の店だけでは満足できません。
一杯のラーメンにかける心意気には、都会の評判店は和歌山の店とは明らかに差を感じます。
例えば私が食べた和歌山中華そばの中で、いちばん旨いと思うのは、神戸二宮の丸高です。
アロチや六十谷の丸高の親戚の人がやっている店です。
料金も確か580円と、神戸の繁華街なのに和歌山より安いです。
競争の激しい都会でやっていくには味・料金等、努力が必要なのでしょう。
和歌山の店は、その努力が足りないような気がしてなりません。

ちなみに、大阪の有名店の店主の中には、和歌山出身の人がけっこういます。
彼らの中には和歌山中華そばを進化させたような味を出す店もありますが、そんなラーメンを出したい人は和歌山ではなく、大阪で店を出すようです。

投稿: ぷらとん | 2010年1月31日 (日) 23時39分

コメントありがとうございます。

このブログでの皆様のコメントや色々な掲示板を見て思うのは、和歌山市民は和歌山の中華そばを愛している人が多いんだなぁ、という事です。
時にそれは盲目的とも言える愛情を持っている人も多々いるようですね。
問題なのは、それに甘えてしまっているお店が多いんじゃない?という点だと思います。
仰る通り、都会の人気店と和歌山の中華そば屋さんの一番の違いは、その一杯にかける心意気や手間隙だと感じています。

都会の人気店で食べてもたいした事が無かった、和歌山の中華そばの方がずっと旨い、そういった意見もよく目にしますが、個人の味覚の違いはあるにせよ、その手間隙の差に触れないのはフェアでない気がします。
ましてや、和歌山のお店が東京ですぐに人気店になる、なんてのはもう夢物語のようで、仰る通り相当な努力が無ければ難しいと思います。

自家製麺にしろ、とか化学調味料に頼らない旨味を出せ、なんて事はもう期待していませんが、せめて臭くない水を供し、温かいものは温かく食べさせる努力くらいはして欲しいと思うのです。

ぷらとんさんへの返信のつもりが、なんだか愚痴っぽくなって申し訳ないですが、これも和歌山を愛するが故とご容赦ください。

和歌山出身の方のお店が、都会で人気店になっているのはなんだかとても嬉しいですよね。
大好きなきんせいの店主さんが和歌山出身だと知った時には驚いてしまいました。
紀州地鶏の存在を知ったのは麺乃家さんでしたが、和歌山の素材を結構使っていらっしゃるのはもしかしたら何か縁があるのでしょうか...今度聞いてみる事にします。

投稿: 岡電 | 2010年2月 1日 (月) 23時35分

岡電 さま
丸花のうわさとともに、貴ブログを知り、このところ、よく拝見しています。
いつも繊細な感想に感服しつつ、丸花(ちなみに、5回行きましたが、濃厚中華はまだ。)に関しては、同感な部分もあり、好みのきつい自分の味覚をコメントと比較して試している雰囲気です。

話は変わりますが、山東から、丸己にいく途中右手に、「ふるさと」という蕎麦屋があるのはご存知だと思うのですが、そこの感想をぜひ聞いてみたいと思うのです。ちなみに私は、温ではきざみそば、冷ではざるそばを主に頼みます・・。

投稿: 長山 | 2010年2月 2日 (火) 00時07分

 コメントありがとうございます。

ただの食いしん坊なので、褒めて頂くと面映いところがあります。
濃厚中華は夜のみで、しかも早い時間に行かないと売り切れるのでハードルが高いですよね。
かくいう私も2度ほど売り切れでした。
でも、個人的にはやはり塩と醤油の豚骨ラーメンを磨いていって欲しいと思います。

「ふるさと」は残念ながらまだ訪れた事がありません。
是非今度行ってみたいと思いますが、あまりいいお店だと丸己とどちらに行くか迷ってしまいそうですね。

投稿: 岡電 | 2010年2月 2日 (火) 23時23分

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