清水に行ったということは、昼ご飯はもちろんこちらのお店で。
紅葉に付いたのは予約5分前。準備しているのでもう少し待ってね、とのこと。目の前の有田川を眺めているうちに食事の準備も整い、私達は店内に。テーブルにはすでに料理が並んでいますが、その美味しそうなこと。今回はちょっと奮発して、一人3500円の摘み草会席です。
野草等は全て女将さんが事前に摘んで来て下さったもの。その他の食材はもちろん、調味料に至るまで、ほぼ清水町あるいはその周辺のものなのが嬉しいですね。お蕎麦は石臼で挽くところから作られたものですが、この日はいつにも増して短くて、ちょっと食べ辛かったです。
しかし、ムカゴの入った五穀米ご飯や、野草の旨さは格別で、文句のつけようも無いもの。真ん中の4つの小鉢は、左上が露草のおひたしで、鰹節と醤油のみのシンプルな味付け。左下はくさぎ。臭木と書くそうで、実際葉には臭気があるそうですが、ゴマ油で味付けされたくさぎは味わい深く、嫌な臭みは感じられませんでした。
右上は、地元産の鰻と胡瓜、そして蓼の酢の物です。それぞれの食材の相性が抜群で、とても美味しく頂けました。右下はタンポポの葉。ちょっと甘めに味付けされていて、これがまたタンポポの味をよく引き立てていたのです。
イタドリやコンニャクの旨さはいつもながらのもの。そして有田川支流の鮎の塩焼きの他に、アマゴや野草の天ぷらが。
あの湯川渓谷から流れ来る清流の中で育った鮎の旨さは格別。今の季節ならではの清清しい苦味を従った味わいで、変な臭みは一切無し。アマゴの天ぷらもしっかりとした味わいで、生命力の強さを感じさせてくれるもの。
アマゴの左は、ヨモギと露草の天ぷら。右はスベリヒユ。うっすらと塩味が付いていて、野草の持ち味がしっかりと活きています。ただ、スベリヒユを食べるのが初めてなら、前回の煮物のような料理の方が、その独特の食感をよく味わえるように思います。
今回の鍋は、味噌仕立ての鮎の鍋。
鮎が丸ごと一匹入っています。
このお鍋のもう一つの主役、清水の特産品アワビ茸の食感がなんともいえません。塩焼きより優しい味わいの鮎、その他の食材の旨味を吸った味噌味のスープがまた堪えられない旨さで。この日、名産の山椒の風味は抑え目に感じましたが、食後にはしっかりと舌を痺れさせてくれていました。
摘み草会席はさすがのボリュームで、大大満足。相変わらず和やかな雰囲気の女将さんとの会話も楽しくて面白くて。
女将さんが「ちょっと見てみて」、と仰るので玄関脇の箱の中を見ると、なんとも可愛らしいツバメの赤ちゃんが。巣から落ちてしまったのを、近所の人が見つけて届けてきたのだそうな。
ツバメの赤ちゃんまで任されるなんて、なんとも女将さんらしいじゃないですか。こんな時に限って餌の蜘蛛がいない、なんて嘆いていた女将さんがたまらなく可笑しかったのです。ちなみに、後日弟に聞いたのですが、鳥の雛は人間に触れられると、親鳥がその匂いを感じ取り世話をしなくなってしまうのだそう。つまり落ちている雛を見ても、そのままにしておくしかないのだとか。
話はそれましたが、本当にここはいいですね。私がもし旅行に行って食事をするとしたら、こんな所で食事をしたいなと感じさせられるほど。今回もなんともいい気分で清水を後にしたのでした。
※予約は必須です。一日1組なので、特に土日は早めの予約が必要。
女将さん一人で準備をされているので、予約時間に遅れる場合は連絡を。
香料理庵 紅葉
住所 和歌山県有田郡有田川町清水1270-5
TEL 0737-25-0966
完全予約制 不定休
最近のコメント