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正倉院展と興福寺国宝公開

 お昼を奈良の外れで食べたおかげで、奈良市内に到着したのが2時ごろになってしまいました。案の定どこも渋滞で、駐車場も満車。奈良には結構来てるけど、これほど混雑するのも珍しいですね。正倉院展のなせる技か。

P1030299 ならまちから興福寺の境内に入ると、すぐに三重の塔の前に。すでに結構な行列が。今回興福寺では4箇所で特別公開がされているのですが、とりあえず行列に並ぶ事に。並んでいても美しい三重塔を見ていると飽きがこなくていいですね。三重塔の秘仏は弁財天で、小さいながらも雰囲気がありますね。順番に並んで見ていくので、じっくり見れなかったのが残念。東西南北の立て板には1000体づつ如来様が描かれているようなのですが、歴史の流れの中でもうシミのようになっています。それもまた風情があっていいものですね。

P1030301 続いて北円堂へ。何故かここは結構空いていました。しかしこの北円堂、国宝の仏像で溢れているのです。四天王立像の力強さ、弥勒如来の静かな表情、どちらもさすが国宝指定と唸らせるものでしたが、なにより素晴らしかったのが、無著・世親立像。この2体を観れただけでも奈良に来た甲斐があったというもの。まるで生きているかのような眼で見つめられると、心の中まで見透かされているように感じてドキッとしてしまいました。

P1030306 いつ見ても美しい五重塔の脇を通り仮金堂へ。ここにも魅力的な仏像が沢山ありましたが、先ほど見た北円堂での印象が残りすぎていて、引き込まれるほど感動するということは無かったです。

続いて、国宝館に。ここはもともと名前の通り国宝の山なのですが、今回十二神将の板彫りが公開されています。それにしても、ここはいつ来ても凄い。阿修羅像の前には結構な人だかりが。この像には何回観ても感動させられます。吸い込まれるような眼は今まで何を見てきたのでしょうか。観るだけで放心状態になるものという事があるのですね。後ろでうっすら涙を浮かべていた女性の方が印象的でした。

他の八部衆や十大弟子立像も、まるで生きているかのような幻想的な美しさ。板彫十二神将も、板一枚を彫ったとは思えない躍動感でした。しかし、最近の一番のお気に入りは、天燈鬼・龍燈鬼立像。ユニークな表情と、力強い筋肉の造形美に思わず見とれてしまうのです。

金剛力士立像の2体も見事としか言いようがないです。この造形美はダビデ像にもひけを取らないのではないでしょうか?頭からつま先まで、少しもゆるいところがなく、ピンと張り詰めたような緊張感に満ちていて、思わず姿勢を正してしまうのです。千手観音立像の美しい立ち姿も魅力的。これだけ大きくて複雑なものを、なんともバランスよくまとめ上げたものです。

因みに、千手といっても実際は42本しか手がありません。後ろの手が一手で25の生命を救うからだそうです。安珍清姫で有名な道成寺にも、国宝の千手観音があるのですが、そちらは何故か44手だそうです。何故に2本多いのでしょうか?

素晴らしい仏教美術を堪能した後は、いよいよ正倉院展です。ところが、到着すると信じられない程の長蛇の列。少なくとも入場者数では正倉院展の勝ちですね。ゆっくり並ぶことにしたのですが、案外進むのが早くて30分ほどで入場することが出来ました。

しかし、中のほうが凄まじい人の数。これはじっくり観るという訳にはいかないですね。人波に推されて、流されるように観ていくのが少し悲しかったり。それでも一番観たかった、緑瑠璃十二曲長坏をじっくり観れたのは救いか。銅版に刻まれた詔や、銅製の香炉、刀子、等もなかなかのものでした。これらは中央に展示されていたので比較的ちゃんと観る事ができました。

文化の日と、三連休の初日が重なった事もあり、混雑するのは仕方ないにしても、もう少し展示に工夫が出来ないものでしょうか?来年もまた観たいかと言われると、う~んという感じ。興福寺の方はなにがあっても観に来たいのですが。芸術的に観て凄いと感じられるものがそれ程見受けられなかったのも一因かな。歴史的に、あるいは技巧という面では貴重なものというのは分かったのですが...

むしろ、この後訪れた本館の仏像展の方が私には合ってました。何より人が少なくてじっくり観れたのが良かった。正倉院展のチケットには本館の半券も付いていて一緒に観れるのに、これだけ人が少ないとはもったいない。どこか神秘的な佇まいの、法隆寺多聞天像等は必見だと思うのですが。

これだけ人数に差があるということは、おそらくツアーで来た人たちは、正倉院展と大仏殿、後は春日大社くらいしか訪れていないのでは?あちこちから聞こえる方言を聞くと、遠方から来た方も多々いるようで、せっかくの奈良をそれだけで終わらすのはあまりにももったいないような気が。

興福寺はもちろんの事、戒壇院の四天王像、新薬師寺の十二神将像など、息を呑むような素晴らしい彫像が山ほどあるのに。とはいっても、戒壇院が観光客で溢れかえっているというのもあまり見たくはない気もするけど...人気の無い、静かな伽藍の上に佇む広目天を観ると、それだけで心の中の悪い物が綺麗になっていくような気になるのです。

余談ですが、実家は読売新聞なのですが正倉院展の記事ばかりで、興福寺の事や、他の寺社などの事が全く振れられていないのはいかがなものなのでしょうか?いくら興福寺の方が朝日、正倉院展が読売新聞協力とはいえ、これでは公正が保たれているとは言えない気がします。

P1030309 仏像は写真が取れないところがほとんどで、文字ばかりになってしまったので、最後に中谷堂というお餅やさんの画像を。ならまちの商店街に人だかりが出来ているのですぐに分かります。ここの名物は餅つき。とにかく信じられない速さで餅を付くのです。よく手を挟まないものだと感心しました。ただ、餅はつきすぎで柔らかすぎかな。私はもっとコシのある、少し米の感じが残ったような餅の方が好みなので。こちらに動画あり。コレ早送りじゃないです。まじでこの速さ。

やっぱり、奈良はいい!これだけのものを、これだけ集中して見れるのは、世界的に見ても珍しいのではないでしょうか?なんとか時間を作って、また来たいものです。

正倉院展

URL http://osaka.yomiuri.co.jp/shosoin/

興福寺

URL http://www.kohfukuji.com/kohfukuji/index.html

中谷堂

URL http://shiga-nara-wakayama.gourmet.livedoor.com/restaurant/info/307840.html

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